Gunma-TCH(群馬県医療ヘルスケア産業総合支援サイト) > シーズを探す > 研究シーズ > アトピー性皮膚炎などのかゆみ軽減のための保湿・抗菌加工
群馬県繊維工業試験場
現在、アトピー性皮膚炎などによるかゆみは肌を保湿することで軽減されると言われていますが、細菌感染を合併するリスクがあることから、保湿剤の使用を推奨していない場合も多いのが現状です。
そこで本研究では、肌に直接触れる繊維製品に対して、保湿性と抗菌性を併せて付与できる加工方法を検討しました。
繊維に保湿性を付与する機能性物質としては、コンブやワカメなどに含まれている天然の食物繊維「アルギン酸」を用いました。このアルギン酸は、増粘剤やゲル化剤として食品にも使用される安全な物質であり、水を保持する能力が高いことが知られています。
アルギン酸ナトリウム溶液に繊維生地を浸し、撹拌しながら塩化カルシウム溶液を滴下することにより、繊維表面上に不溶性のアルギン酸カルシウムが析出して保湿性膜ができます。また、前処理として繊維表面をカチオン化することで、アルギン酸カルシウム膜の耐久性が向上するとともに抗菌性も付与できます。
※本研究の成果は現在特許出願中です。(特願2019-14437)
アトピー性皮膚炎などにみられるかゆみは、乾燥によって引き起こされる場合が多いと一般に言われています。また、かゆみによって皮膚を強く掻くことにより、皮膚のバリア機能が低下して、さらに症状が悪化することが多いです。
本研究内容を、日常的に肌に触れる衣類や寝具に応用し、乾燥を防ぐ効果や保湿機能を付与することが出来れば社会実装への可能性が高まると考えられるため、共同研究を行える相手を探しています。
研究者・担当者名 | 髙田 彩加 |
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所属・役職 | 群馬県繊維工業試験場 企画連携係・技師 |
TEL | 0277-52-9950 |
法人・団体名 | 群馬県繊維工業試験場 |
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所在地 | 桐生市相生町5-46-1 |
URL(HP) | https://www.pref.gunma.jp/07/p20210013.html |