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聴診補助気泡緩衝材『聴診アップ!™/CHO-SHIN UP!™』

STONY&Co.

STONY(CHO-SHIN UP!)

【背景】簡便で非侵襲ながら得られる情報が多い「聴診」は、極めて重要な検査である。だが、体の小さな新生児や、痩せ形で皮下脂肪が少ない患者など、聴診面と患部に隙間が生じると音が聴き取りにくい事があった。従来は、小さな聴診器で対処していたが、振動面積が小さい分音が小さい欠点があった。また、電子聴診器で音を増幅させる方法は、電源を要し、高価なため、普及には至っていない。

【目的】低コストで電源不要な聴診補助具を開発する。

【解決法】患部と聴診面の隙間を気泡緩衝材で埋める補助具を発明した。本発明は2枚の樹脂製シートからなり、一方のシートを聴診膜大に成型した突起の中に空気を封入し、緩衝材の機能を有する。他方の平らなシート面には、着脱容易な接着剤が塗布される。試作は、『プチプチ®』の川上産業株式会社の協力を得た。

【実験方法】聴診器の耳管に小型コンデンサーマイクを嵌入固定し、聴診教育用音源発生装置からループ再生された正常心音を録音、各心音図を比較した。

【結果】1粒のサイズは、縦35mm×横35mm×高さ15mm、重量は約0.1gであった。聴診膜面に気泡緩衝材を装着すると、あらゆる凹凸面にフィットし、聴診膜全体が振動した。心音図は、通常時と比較して約6倍拡大した。

【考察】気泡緩衝材自体に音の増幅効果はない。心音図比較で音が拡大した現象は、音源発生装置が平面である事と、聴診膜がリムから1段へこんでいる事による極僅かな隙間が、聴診補助具により埋められた結果である。隙間を埋める素材は、他に液体、ゲル、泡などが挙げられるが、補助具の重みが体表面の振動を抑制させてしまう事、破損時の汚染、製造コストなど鑑みると、空気が最も適していた。

【結論】聴診補助用気泡緩衝材は、フルーガルなイノベーションと言える。あらゆる体形に対応可能な他、脱衣しなくても充分音が良く聴こえるようになるため、例えば健診時に大いに役立つだろう。