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せん断波の可視化による生体組織硬さの超音波映像法(C-SWE法)

国立大学法人群馬大学

生体組織の硬さは、癌の早期発見を目的としたスクリーニング、骨格筋や腱等の診断、リハビリテーション、スポーツ医学、痛み治療等で重要な評価指針になることが期待されますが、生体外部から非侵襲的に生体内部組織の硬さを定量的に映像化、測定することは難しい。従来法として超音波で可視化するSWE(せん断波エラストグラフィ)法がありますが、強力な超音波をせん断波の発生に使うので、骨等が対象領域の近傍にあると不要な温度上昇を来すことがあり適用が推奨されていません。また装置が大型で高価という問題もあります。
本方法は、生体表面に張りつけたコイン型の小型加振器で加振した時に生体組織内部を伝播する機械的振動波(せん断波)を超音波エコー装置に標準的に付属する血流映像化用のカラードプラ法で可視化する新しい方法であり(国際特許出願済み)、映像装置が廉価、せん断波の波面を実時間で可視化できるので硬さだけでなく組織の弾性構造の違いを可視化できる、加振源からの振幅1mm以下の微小な振動を使うので生体に安全、などの特徴があります。すでに乳がんの可視化、骨格筋の評価等での有用性を確認してきています。

社会実装への可能性

この方法(C-SWE:連続せん断波エラストグラフィ)は、カラードプラ機能を有する従来のエコー装置を一切改造することなく、エコーのカラードプラ画像を例えば画像処理用のPC等に取り込むだけで生体組織の硬さの映像が得られます。このためエコー装置は必要ですが、映像装置が廉価であり、据え置き型のエコー装置だけでなく例えば可搬型のタブレットエコーにも実装でき、診療室だけでなく理学療法室やマッサージ室、スポーツ医学の現場にも持ち出すことができます。またカラードプラ映像から定量的な生体硬さ映像を得るには、せん断波の反射波成分を抑える方向性フィルタ、雑音の中からせん断波映像を得る画像処理等を組み込む必要がありますが、これらについても研究室でin vivo実験に基づくノウハウを有しています。この方法は廉価なシステムで機械的振動波であるせん断波の伝播の様子を動画像として得られるので、せん断波伝播の複雑さから癌のように組織の硬さが一様でない部位に対してその機械的構造を可視化することもできます。この方法は組織内部のレオロジーを可視化する方法であるので、ゲル状の品、食肉等のレオロジー評価等にも応用できます。
組織の硬さは組織を特徴づける基本的な物理量の一つであり、医療福祉だけでなく他分野においても新たな活用が見いだせる可能性があり、種々の応用分野で共同研究ができる相手を模索しています。

共同研究等を希望する業種・分野

本件に関する連絡先

研究者・担当者名 山越芳樹
所属・役職 群馬大学大学院理工学府 電子情報部門・教授
TEL 0277-30-1771

組織情報

法人・団体名 国立大学法人群馬大学
所在地 群馬県前橋市荒牧町四丁目2番地
URL(HP) http://www.gunma-u.ac.jp/

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